けんちん汁の作り方レシピ

由来は中国の普茶料理が日本化したものといわれています。
けんちん汁の語源は鎌倉五山の延長寺の開山の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が、崩れてしまった豆腐に野菜を加え煮込み作ったものが元とされています。
この汁の呼び名が『延長寺』→『延長寺汁』→『延長汁』→いつのまにやら『けんちん汁』となったとされています。
なんだか曖昧なはなしではありますが…あくまで一説であり不明な点もあり、本当の所ははっきりしていませんがこのはなしが一番有名なものであります。

食べたことのないかたのためにレシピと作り方を簡単にご紹介します。

人参や大根などを皮をむき銀杏(いちょう)切りにします。

さらにごぼうは笹がきにして水につけてアク取りをします。

次にさつま芋を角切り(1cm位)のぶつ切りにします。

鍋に水と豚肉を入れ火にかけ豚肉から出汁(ダシ)がでるまで煮ていきます。その行程でアクがでますがこまめに取り除いてください。

鍋の中に準備した野菜を加えやわらかくなるまで煮ます。その後味噌味を味付けとして加え五分程度煮ます。その後、豆腐とぶつ切りにした葱をくわえ仕上げに火をとおします。

作り方は以上ですが、豆知識としては本来のけんちん汁は肉類は入ってはいないものですが、家庭料理としては使います。
肉類をいれることによりより深い味わいにはなりますが、好みで分量は変わります。
作り方のポイントは出汁を出すために必ず水から鍋で煮はじめることです。 だんだんと温度をあげることにより出汁を出していきます。
その都度にアクとりはこまめに行うことが大切です。アクにより極端に味が変化するということはありませんが、アクで鍋のフチが汚れて後片付けにも不便になりますので、やればあとがらくになります。
ごぼうやさつまいものアクとりについては、ごぼうは切ったあとに水につけてザルにあげよく水を切ります。ボウルに残った水が茶色になっていて気になり何度も繰り返したくなりますが、ごぼうのアクとりはこれで完了です。
何度も繰り返すとごぼうの旨味の成分まで壊してしまいますので注意をしてください。
味噌は野菜に味がつく程度で結構です。好みでは分量は変わるとはおもいますが、けんちん汁は味噌汁ではありませんので分量は控え目に。
お好みで仕上げに刻んだ柚子や木の実やごまや七味唐辛子などを添えたりかけたりすればより一層の豊かさがでます。
用意が面倒なときには冷凍のカット野菜などを使い時間や行程を短縮して簡単に作っても良いのではないでしょうか？

けんちん汁は野菜がたくさん取れる料理で、カロリーもおさえることができ体にはやさしい一品です。温かいものをゆっくり食べることにより内蔵にも負担をかけずに栄養をしっかりとれて相乗効果があると言えます。
普段から食生活の乱れやバランスの悪い食事になりがちな現代人には適しているのではないでしょうか？
また体を作る大切な時期の子どもたちにも野菜をしっかりととれる家庭料理としてしっかりとレシピの一つにいれていただきたいと願います。

どうしてももっとおいしいけんちん汁が食べたいそんな願いをかなえるお店があります。
けんちん汁発祥といわれます、『延長寺』の近くに『鎌倉五山』という知る人ぞ知るけんちん汁の有名なお店があります。
店主の方は武道に精通しておられ、また有段者であり菜食主義者でもあられる方でそのご主人のこだわりのけんちん汁は大根、人参、ごぼう、コンニャク、白菜、小松菜、ほうれん草など野菜がたっぷりのけんちん汁です。野菜も厳選されたものをしっかりと仕入れておられ、いつも最高の状態でけんちん汁を堪能できるよう努力をつづけておられます。
けんちん汁発祥の延長寺のふもとのこだわりのけんちん汁はぜひ延長寺観光ともに歴史を感じながら食していただけばよりいっそう味だけでなく楽しんでいただけるのではないでしょうか？